概要
genpack-install は genpack で生成した SquashFS システムイメージを物理ディスク、ISO イメージ、ZIP アーカイブにデプロイするためのツールです。
- GitHub: wbrxcorp/genpack-install
genpack-install [オプション] [system_image]
root 権限が必要です。
オプション
位置引数
| 引数 | 必須 | 説明 |
|---|---|---|
system_image |
動作モードによる | システムイメージファイル(SquashFS) |
セルフアップデートモードでは必須です。--disk、--cdrom、--zip モードでは省略可能で、省略時は現在インストールされているシステムイメージが使用されます。
名前付きオプション
| オプション | 型 | デフォルト | 説明 |
|---|---|---|---|
--disk <PATH> |
文字列 | (なし) | ディスクデバイスパス。list を指定するとインストール可能なディスクの一覧を表示 |
--cdrom <PATH> |
文字列 | (なし) | 作成する ISO9660 イメージのパス |
--zip <PATH> |
文字列 | (なし) | 作成する ZIP アーカイブのパス |
--system-cfg <PATH> |
パス | (なし) | 指定した system.cfg ファイルをインストール |
--system-ini <PATH> |
パス | (なし) | 指定した system.ini ファイルをインストール |
--label <NAME> |
文字列 | (なし) | ブートパーティションまたは ISO イメージのボリュームラベル |
--gpt |
フラグ | false | MBR の代わりに常に GPT を使用 |
--superfloppy |
フラグ | false | パーティショニングせずディスク全体を使用 |
--no-esp |
フラグ | false | ブートパーティションを ESP としてマークしない |
--additional-boot-files <PATH> |
パス | (なし) | 追加のブートファイルを含む ZIP アーカイブ |
-y |
フラグ | false | 確認プロンプトをスキップ |
--debug |
フラグ | false | デバッグメッセージを表示 |
動作モード
genpack-install は引数の組み合わせにより 4 つの動作モードを持ちます。
セルフアップデート(引数のみ、オプションなし)
genpack-install <system_image>
稼働中のシステムのシステムイメージをアトミックに更新します。--disk、--cdrom、--zip のいずれも指定しない場合にこのモードで動作します。
更新手順:
- 現在のシステムイメージのパスを特定(ブートパーティションの
system.imgまたはデータパーティションのsystem) - 新しいシステムイメージを検証
- ブートファイル(カーネル、initramfs、ブートローダー)を更新
- アトミックなリネーム操作で切り替え:
- 既存の
system.oldを削除(存在する場合) - 新しいイメージを
system.newとしてコピー - 現在のイメージを
system.curにリネーム(ロールバック用に保持) system.newを本来のイメージパスにリネームsyncを実行
- 既存の
失敗時は system.cur から自動復旧を試みます。
ディスクインストール(--disk)
genpack-install --disk=<デバイスパス> [オプション] [system_image]
genpack-install --disk=list
物理ディスクにシステムイメージをインストールします。
--disk=list を指定すると、インストール可能なディスクの一覧を表示します。読み取り専用デバイス、マウント済みデバイス、4GiB 未満のデバイスは除外されます。
パーティショニング:
- MBR/GPT の自動選択: ディスクが 2TiB 以下かつ論理セクタサイズが 512 バイトの場合は MBR、それ以外は GPT が選択されます
--gpt: 条件に関わらず GPT を強制使用--superfloppy: パーティションテーブルを作成せず、ディスク全体を FAT32 としてフォーマット(4GiB 未満のイメージのみ)
通常モード(パーティショニングあり)のレイアウト:
- ブートパーティション(FAT32): カーネル、initramfs、ブートローダー、4GiB 未満のシステムイメージを格納
- データパーティション(Btrfs): 4GiB 以上のシステムイメージを格納。ラベルは
data-{ブートパーティションUUID}
--no-esp を指定すると、ブートパーティションに ESP(EFI System Partition)フラグを付与しません。一部のブートローダーが ESP フラグを嫌う場合に使用します(MBR 時のみ有効)。
インストール前に確認プロンプトが表示されます。-y で確認をスキップできます。
ISO イメージ作成(--cdrom)
genpack-install --cdrom=<出力パス> [--label=<ラベル>] [system_image]
ブータブル ISO9660 イメージを作成します。xorriso(libisoburn)がインストールされている必要があります。
- BIOS ブート: El Torito(
eltorito-bios.imgが存在する場合) - EFI ブート: EFI パーティション付加(
eltorito-efi.imgが存在する場合) - 両方のイメージが存在する場合はデュアルブート ISO が生成されます
--label を省略した場合、ボリュームラベルは GENPACK になります。
ZIP アーカイブ作成(--zip)
genpack-install --zip=<出力パス> [system_image]
システムイメージとブートファイルを含む ZIP アーカイブを作成します。
ZIP に含まれるファイル:
system.img— システムイメージsystem.cfg— システム設定(--system-cfg指定時)system.ini— システム設定(--system-ini指定時)- Raspberry Pi のブートファイル(Raspberry Pi イメージの場合)
ブートローダー
genpack-install は GRUB をブートローダーとして使用します。ブートローダーファイルは以下の順序で検索されます:
- システムイメージ内の
/usr/lib/genpack-install/ - ホスト側の
/usr/local/lib/genpack-install/ - ホスト側の
/usr/lib/genpack-install/
インストールされるファイル:
- EFI ブートローダー:
boot*.efiファイルがefi/boot/にコピーされます - BIOS ブートローダー:
boot.img、core.img、grub.cfgが存在しgrub-bios-setupが利用可能な場合にインストールされます
対応アーキテクチャ:
| アーキテクチャ | BIOS | UEFI |
|---|---|---|
| x86_64 | boot.img + core.img | bootx64.efi |
| i386 | boot.img + core.img | bootia32.efi |
| aarch64 | — | bootaa64.efi |
| riscv64 | — | bootriscv64.efi |
Raspberry Pi のサポート:
システムイメージに boot/bootcode.bin が含まれる場合、Raspberry Pi イメージとして扱われます。boot/ ディレクトリの全ファイルがブートパーティションにコピーされ、cmdline.txt の root= パラメータが root=systemimg:auto に書き換えられます。
grub.cfg の system.img 検索ロジック:
- ブートパーティションに
system.imgが存在すればそれを使用 - 存在しない場合、
data-{ブートパーティションUUID}ラベルのパーティションを検索 - さらに
d-{ブートパーティションUUID}ラベルを検索 - 最終手段としてブートパーティション番号から推測(パーティション 1 → パーティション 2 を試行)
パーティション構成
ブートパーティション(FAT32)
- ブートローダー(GRUB EFI ファイル、BIOS イメージ)
- カーネル(
boot/kernel)と initramfs(boot/initramfs) grub.cfgsystem.cfg/system.ini(指定時)- 4GiB 未満のシステムイメージ:
system.imgとして格納
ブートパーティションサイズは、システムイメージが 4GiB 未満の場合は max(4, image_size_gib * 3 + 1) GiB、4GiB 以上の場合は 1 GiB です。
データパーティション(Btrfs)
--superfloppy使用時は作成されません- ラベル:
data-{ブートパーティションUUID} - 4GiB 以上のシステムイメージ:
systemとして格納
システムイメージの検証
genpack-install はインストール前にシステムイメージの検証を行います:
.genpack/ディレクトリが存在すること- 以下のいずれかを満たすこと:
boot/kernelとboot/initramfsが存在する(通常のイメージ)boot/bootcode.binが存在する(Raspberry Pi イメージ)
検証に通過すると、.genpack/artifact と .genpack/variant の内容が表示されます。
ソースリファレンス
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