Let's EncryptのルートCA期限切れ問題を直してもらえない人が WordPressを改造して切り抜ける方法
自分がroot権限を持ってるサーバーじゃないのに何とかしなきゃいけない理不尽
2021年10月2日 嶋田大貴
先日、Let's EncryptのルートCA期限切れで OpenSSL 1.0.2が思わぬ事故を起こす件という記事で期限切れしたルートCAにまつわる問題の解説をしたのだが、問題はこれでは終わらない。
某老舗格安共有レンタルサーバ「10/1に Let's Encryptの問題が発生しましたが直しました」
我社「これ、直ってねーじゃねーーーーーーか!」
顧客「は、早く直しーーーーーーーーーーーて!」
ホストのroot権限を持っていない以上、直したくても直せない。レンサバ屋おまえ週末を楽しんでる場合じゃねえぞコラ(大激怒)!古いバージョンのPHP収容してる環境もちゃんとチェックしたんか?1っていうか○○○社、うちの記事読んでたの知ってるぞ。
非WordPressの場合(ググればわかる情報)
単純で素朴なPHPスクリプトが問題で、file_get_contents() を使ってるだけなら下記のようにオプションを渡すようにすればとりあえず回避できる。
$url = "https://www.walbrix.co.jp";
$options['ssl']['verify_peer']=false;
$options['ssl']['verify_peer_name']=false;
$response = file_get_contents($url, false, stream_context_create($options));
それか curlを使っているなら
curl_setopt($curl, CURLOPT_SSL_VERIFYHOST, 0);
curl_setopt($curl, CURLOPT_SSL_VERIFYPEER, 0);
をcurl_execの前に挟んでやる($curlのとこだけ適宜合わせること)。
WordPressの場合(この記事を見つけた幸運なあなたのための独自情報)
しかし WordPressを使っていて WordPressの fetch_feed() 関数などで外のフィードを読みにいったりしている場合は WordPressを改造しないといけない。
仔細を端折って答えだけ言うと、wp-includes/Requests/Transport/cURL.php
で
if (isset($options['verify'])) {
if ($options['verify'] === false) {
curl_setopt($this->handle, CURLOPT_SSL_VERIFYHOST, 0);
curl_setopt($this->handle, CURLOPT_SSL_VERIFYPEER, 0);
}
elseif (is_string($options['verify'])) {
curl_setopt($this->handle, CURLOPT_CAINFO, $options['verify']);
}
}
となっているところの 前に
$options['verify'] = false;
を挿入すれば、常に外のURLにアクセスする際に SSL証明書の検証をしなくなるのでエラーを回避することができる。もちろんこれは緊急避難のための方法であって恒久的な解決策ではないので、ホストのroot権限を持っているところ(レンサバ屋なりなんなり)が根本的な問題に対処してくれなければならない。WordPressをアップグレードしたら元に戻っちゃうし。
とりあえずお客様にはご安心いただきました。
レンサバ屋はおれの土曜日を返せ。
追記
有益情報いただきました
この記事めっちゃ助かりました。ありがとうございます。
— Taichi Maruyama (@mthaichi) October 5, 2021
ちなみに元ソースをいじりたくなければ、テーマファイルのfunctions.php に
add_filter('https_ssl_verify', '__return_false');
書いておけば同じことができるように思います〜。
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古いバージョンのPHPを使ってることも問題だけど、それは顧客都合というやつでして・・・。それに古い方は対処できないってならできないって言ってくれてもいいと思うの。こっちは直してくれるもんだと思ってるんで。 ↩
2021年10月2日 嶋田大貴